中川裕貴さんによる、約4年ぶりとなる新作コンサート「弭(ゆはず)」がロームシアター京都で開催されます。
DJとして1729さんも出演。
チェロ×DJ×俳優という組み合わせがとても気になります。タイトル、コンセプトにも惹かれます。
強くおすすめします!!
(中川さんより情報をご提供いただきました。ありがとうございます!)
以下、詳細です。
チェロとDJが開発する、音の新領域
令和6年度京都市芸術文化特別奨励者・中川裕貴の最新作を京都で!チェロを主体として作曲・演奏・演出活動を行う音楽家/演奏家の中川裕貴による約4年ぶりとなる新作コンサート「弭(ゆはず)」をロームシアター京都で開催します。
チェロという楽器、DJ、俳優の行為が関わることで生まれるさまざまな「声」を、「弓」が引き出し、観客の「耳」に届けます。中川裕貴「弭(ゆはず)」
日程:2024年12月28日(土)~29日(日)
会場:ロームシアター京都 ノースホール作曲、演奏、演出:中川裕貴
DJ:1729
出演:中川裕貴、出村弘美、穐月萌、1729
公演について
チェロを主体として作曲・演奏・演出活動を行う音楽家/演奏家の中川裕貴による約4年ぶりとなる新作コンサート「弭(ゆはず)」を開催します。
弭という文字は「ゆはず」と読み、弓道などで用いる弓の両端にある「弦(つる)をかける場所」のことを指します。
このコンサートはその文字通り、弓と耳という2つの側面、そしてそれに関係する「チェロ」が中心に添えられ、ヒトの声に近い成分をもつと言われる楽器から、さまざまな「声」を、「弓」が引き出し、観客の「耳」に届けます。
また今回のコンサートでは新たな試みとして、会場に「DJ(ディスクジョッキー)」がいます。
録音物を収集、吟味、推敲し、混ぜ合わせ、再構築し、ターンテーブルとCDJを複数台掛け合わせて複雑なサウンドコラージュを目指す「1729」は、DJの中でも異端かつ、誰もが説明に困る奇妙で曖昧な存在であるかもしれません。彼女は2022年まで”威力”名義で活動し、現在はクラブシーンのみならず、YCAM(山口情報芸術センター)や九州大学音響特殊棟などに活動の幅を広げ、「聴く」ことの根源的な領域にアクセスするようなパフォーマンスを行っています。
今回はこのDJとチェロという「両端」によって、何かを「かけ」ます。
さらに中川のコンサートにこれまでも数多く出演し、演奏やパフォーマンス、そして意味の「下限」を浮き沈みさせるような「行為」を続けてきた出村弘美、穐月萌も参加。この4人の持つ要素が絡み合いながら生まれる時間と空間は、タイトルである「弭(ゆはず)」という音をズラした「いわず」と、そこから派生する「静寂(サイレンス)」の現在進行形の「かたち」が提示されると同時に、私たちが生きるこの時代のありさまが照らされることになるでしょう。作品について
「弭」という文字について、言葉遊びをしてみます。
弭、ゆはず、You haze( 訳すと「あなたが霞んでいる」という意味)。
「ゆはず」→「ゆわず」→言わず=(I/You/We/They)don’t say。
そして「言わないこと」は静寂(サイレンス)と関係があります。弓や耳、そして声。言わないこと。 サイレンス。 行動すること。
意志があること/ないこと。リスニング、トーキング、シンキング。
そしてそこに無音や中断が差し挟まれること。 ゆはずは「弦(つる)をかける場所」を指します。「弭」という文字から生まれるイメージを、「コンサート(Concert)」という、そのことばの一部に「共に」「子孫」「対抗」という意味を持つイベントへ運ぼうとしています。
約4年前のロームシアター京都でのコンサートでは、わたしたちの
ほとんどは「マスク」と呼ばれるものを「耳」にかけていました。
それから月日が経ち、今、私たちの耳は、
なにを「かけて(掛けて、賭けて、欠けて…)」、ここにいるのでしょうか。このコンサートでは、今、ここから未来に向かって延びる、とある「疎密」をコンサート会場に集まるみなさんと共に創りたいと考えています。
中川 裕貴
プロフィール
中川裕貴 Yuki Nakagawa
1986年生まれ、三重/京都在住の音楽家。チェロを独学で学び、そこから独自の作曲、演奏活動を行う。人間の「声」に最も近いとも言われる「チェロ」という楽器を使用しながら、同時にチェロを打楽器のように使用する特殊奏法や自作の弓を使用した演奏を行う。音楽以外の表現形式との交流も長く、様々な団体やアーティスト(烏丸ストロークロック、森村泰昌、渡邉尚など)への音楽提供や共同パフォーマンスも継続して行っている。また2022年からは音楽家・日野浩志郎とのDUOプロジェクト「KAKUHAN」がスタートしている。
近年のコンサート作品として、「ここでひくことについて(2019)」@京都芸術センター、「アウト、セーフ、フレーム(2020)」@ロームシアター京都サウスホール(ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム“KIPPU”)などがある。
同志社大学工学部情報システムデザイン学科卒業。京都市立芸術大学大学院音楽研究科修了(音楽学)。令和6年度京都市芸術文化特別奨励者。出村弘美 Hiromi Demura
俳優、声、他。
1985年大阪府生まれ。京都造形芸術大学 映像・舞台芸術学科卒業。在学中、ダンス・演劇に出会う。その後、インタビューや日々の生活をもとに創作した作品など、様々な団体の舞台出演を経験。映画出演作に濱口竜介監督『ハッピーアワー』、野原位監督『三度目の、正直』がある。近年はナレーションや、朗読・録音を用いた創作をする。「中川裕貴、バンド」メンバー。穐月萌 Moe Akiduki
京都造形芸術大学映像舞台芸術学科卒業。大学卒業後、神社で巫女として5年間働きました。 現在はDTP/WEBデザイナーをしています。 最近ひょんなことからアンティーク着物に出会い、アンティーク着物を集めています。 そういえば私はこれまで古いものに心惹かれてきました。 古い着物や古い建物のデザインのかっこよさにも魅力を感じますが、長い長い時間の続きに、いま私も交わっていると思うと胸がキュンとします。
1729
1729 = 7×13×19
スタッフ
舞台監督: 北方こだち
音響:甲田徹
照明: 十河陽平
宣伝美術: 古谷野慶輔
制作:平野春菜主催:中川裕貴
共催:ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)京都芸術センター制作支援事業