柳沢英輔さん、Ken Ikedaさん、畠中実さんが出演されるイベント「MIMINOIMI – Ambient / Week- DAY6 ”環境を観察し、共に奏でる-フィールドレコーディングの実践”」が2024年5月11日(土)にPOLARIS(千代田区神田錦町)で開催されます。
(画像は柳沢さんよりご提供いただきました。ありがとうございます!)
『フィールド・レコーディング入門 響きのなかで世界と出会う』(フィルムアート社)は素晴らしい書籍で、非常に面白かったです。
柳沢さんの新作(!!)を出発点として、ICCの畠中さんとフィールド・レコーディングについて話をされるということで、とても気になります。
Ken Ikedaさんとの即興ライブセットも楽しみですね。
以下、詳細です。
MIMINOIMI – Ambient / Week- DAY6 ”環境を観察し、共に奏でる-フィールドレコーディングの実践”
2024/05/11OPEN/START
18:30/19:00LINE UP
柳沢英輔、Ken Ikeda、畠中実TICKET
前売 ¥4.000
当日 ¥5,000
*入場時1ドリンク700円この日は書籍「フィールドレコーディング入門」にてフィールドレコーディングという行為を社会に広く紹介した柳沢英輔氏が、NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)のキュレーターである畠中実氏と対談を行います。この日のトークは、柳沢氏が直近で発表する新作を出発点として、フィールドレコーディングという行為を深く考えていく上で、様々なヒントが詰まったものになるでしょう。また、トークと共に、即興演奏家であるKen Ikeda氏と柳沢氏の特別な即興ライブセットも予定されています。
柳沢英輔
東京都生まれ。音文化研究者、フィールド録音作家。京都大学大学院アジア·アフリカ地域研究研究科修了。博士(地域研究)。現在、日本学術振興会特別研究員RPD。主な研究対象はベトナム中部高原の少数民族が継承する金属打楽器ゴングをめぐる音の文化。フィールドのさまざまな音に焦点を当てた録音·映像作品を制作し、国内外のレーベルや映画祭などで作品を発表している。主な著書に『ベトナムの大地にゴングが響く』(灯光舎、2019年、第37回田邉尚雄賞)、『フィールド·レコーディング入門―響きのなかで世界と出会う』(フィルムアート社、2022年、第1回音楽本大賞·読者賞)など。
https://eisukeyanagisawa.comKen Ikeda
即興電子音楽家、作曲家。
FMサイン波に独特な加工を施しながら織物のように繋げ、縫い合わせことによって電子音の粒子そのものを即興的に摘出し、その立ち上がりと消えゆく瞬間に聴き手の「内的原風景」の揺らぎ、減衰、失跡を追体験させると同時に、近代音楽の底に沈む儀礼的な霊性、身体性、野蛮さの再発掘を試みる。
過去に6枚のソロアルバム、そして、David Toop, Eddie Prevost, John Russell 、Carl Stone、等とのコラボレーションアルバム、また、杉本博司、横尾忠則、森万里子、田中泯、コムアイ、David Lynch等、現代美術やモダンダンスのサウンドトラックも数多く手がけている。畠中実
1968年生まれ。NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員/学芸課長。 2000年の「サウンド・アート―― 音というメディア」展以降、「サウンディング・スペース」(2003年)、「サイレント・ダイアローグ」(2007年)、「みえないちから」(2010年)、「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」(2017年)など、多くの展覧会を手がける。近年の展覧会は、企画展「多層世界とリアリティのよりどころ」(2022年)、「ICCアニュアル2023 ものごとのかたち」(2023年)、「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」(2023年)。
このイベントは、MIMINOIMI – Ambient / Week- 第2弾「MIMINOIMI Ambient / Week “Environmental mood”」のなかの一企画になります。
2024年5月、MIMINOIMI – Ambient / Week- 第2弾を開催
MIMINOIMI2023年に実施された都市型フェスティバルMIMINOIMI -Ambient / Week-において、日本におけるアンビエントを多角的に検証したMIMINOIMIは、2024年5月、環境音楽というヒントを出発点として、激変を続ける我々を取り巻く世界を聞き、考えていくため、同イベント第2弾として、MIMINOIMI Ambient / Week “Environmental mood”を開催します。
環境音を用いたり、シンプルなメロディーや曲構成により知られる環境音楽は、アンビエントミュージックの日本版と捉えられることも多いですが、80年代当初には、サウンドスケープ、サウンドアート、サウンドデザイン、サウンドエデュケーション・スタディーズなどの多様な領域を包含する、広がりのある実践であったと言えるでしょう。しかし、それは同時に、時代や立場、商業的な要請によって変動していった、流動的なタームであったこともあり、環境音楽の全貌を把握することは容易ではありません。
この度、MIMINOIMIは、環境音楽が80年代に示していた拡散性・可能性を現代に翻案することを試みます。その際に重要なキーワードが、我々を取り囲み、我々がその一部にもなっている「環境」であり、「環境」と隣接して考えれるエコロジーであると言えるでしょう。それは、今現在、我々が直面しているさまざまな環境変動や環境危機を前にして、避けては通れない重要な対象となっているからです。
日本で行われてきたサウンドスケープの考え方を応用した試みの紹介、他生物と音楽の関係性についてのレクチャー、即興パフォーマンスやアンビエント・ミュージックコンサート、食と音楽のコラボレーション企画等、このイベントでは様々なプログラムが予定されています。それらの活動を通し、環境を、概念的なレベルだけでなく、感覚的に実感を持って捉えるための実践、実験が行われる予定です。
MIMINOIMI -Ambient / Week-が、我々と共にありながら、遠くにある全ての存在を取り囲んでいる環境、自明なものであると共に謎を抱え込んだ存在である環境、自分自身でありつつも他者でもある環境、これら多様な側面を持つ環境に対し、耳を澄まし、少し立ち止まり、再考したり、今までとは違った感覚を感じ取っていく契機になることを主催者は願っています。
「環境音楽」について、このような企画を実現されるのはとても素晴らしいと思います。
昨年、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館で「吉村 弘 風景の音 音の風景」が開催されていますが、現在の多様な観点から考え、実践していくことがとても重要だと感じています。(入江)