蓮沼執太さんの公演でご一緒させていただいた、河合宏樹監督のライブ映画「平家物語 諸行無常セッション」が9月7日から13日まで新宿・K’s cinemaにて全日イベント付きで上映されます。
各日とも大変興味深いイベントとなっております。是非ご覧ください。


『平家物語 諸行無常セッション』全日イベント付1週間限定上映

日時:2024年9月7日(土)~13日(金)
連日20:30より
会場:新宿K’s cinema (東京都新宿区新宿3-35-13 Showakan-Bld,3F)
https://www.ks-cinema.com/
料金(当日のみ):一般1,800円
学生:1500円
シニア:1,200円
*連日20:30より映画上映(64分)、上映後にトークやライブセッションを実施いたします。(22:30 頃終演予定)
*チケットは上映各日の3日前より新宿K‘s cinema HPにて販売開始
https://www.ks-cinema.com/movie/heikemonogatari/

上映後イベントゲスト(予定)

9月7日(土)【『諸行無常セッション』初日トーク】
登壇:古川日出男、坂田明、向井秀徳、河合宏樹(映画監督)司会:安東嵩史(編集者)

9月8日(日)【トーク】ライブ映像が映画になるためには
登壇:七里圭(映画監督)、河合宏樹(映画監督)
映画とは何かと自問自答を繰り返してきた七里圭監督に、ライブ映像とは何かと自問自答してきた河合宏樹が、その違いを問う。果たしてこの諸行無常セッションは映画なのか。

9月9日(月)【トーク】「落人」たちの群島、あるいはその想像力
登壇:管啓次郎(比較文学者、詩人)、安東嵩史(編集者)
日本全国に数多く残る「平家の落人」伝説。敗れしものを想像力の中で生かし、土地の歴史に包摂してきた人々の精神とは何か。今もなお消え去ることのない、この列島の集合的無意識を考える。

9月10日(火)【トーク】コロナ禍以降のライブとライブ映像の違いを掘り下げる
登壇:曽我部恵一(ミュージシャン)山本啓太(ミュージシャン、映像監督)、河合宏樹(映画監督)
コロナ禍で多くのミュージシャンはライブを奪われ、配信ライブが代等した。当時、配信ライブも数多くこなされた曽我部恵一と、台風クラブのベーシストで映像作家でもある山本啓太に、河合宏樹が現在のライブ映像の価値について問う。

9月11日(水)【トーク】『平家』のナラティブはどこにある?
登壇:古川日出男(作家)、姜信子(作家)司会:安東嵩史(編集者)
琵琶法師が語り、猿楽が舞い、この世の周縁に置かれたものたちが敗者の生と死を語り伝えてきた「平家」。現代にまで伝わるそれはいったい「誰の」語りなのか。物語と音曲の中に舞う、まつろわぬ魂たちとの対話。

9月12日(木)【パフォーマンスセッション】女性視点の平家物語と永遠少女朗読、歴史ある映画館を鳴らす
キュレーション:細井徳太郎&河合宏樹
朗読:青柳いづみ(俳優)演奏:細井徳太郎(エレキギター)宮坂遼太郎(打楽器)、山本達久(物音)
平家物語とは男たちの戦乱の話だけではない。女たちの闘いの史実でもある。女性視点の朗読に、打楽器、映画館全体を使い、歴史を立体化させる。戦や災いが近づく現世。こんな未来誰が想像していただろう? 探せ、探せ、探せ

9月13日(金)【パフォーマンスセッション】平家の亡霊の祟り、彼岸に声を届ける
キュレーション:細井徳太郎&河合宏樹
踊り手:小暮香帆(ダンサー、振り付け家)
アンプラグド演奏:細井徳太郎(アコースティックギター)、玉川鈴(三味線)、辻祐(樽太鼓)
平家物語には多くの祟りが存在する。無惨に殺されていった物怪たちの気配を、和楽器の演奏をもちいり、完全暗転させた映画館に小暮香帆の踊りで降臨させる。平清盛は物怪達の祟りにより命を落とした。彼岸まで届く声は存在するか。


『平家物語 諸行無常セッション』(64分)
heike-syogyomujo.com
2017年5月28日、高知県・五台山竹林寺にて、作家・古川日出男とサックス奏者の坂田明、 ZAZEN BOYS の向井秀徳が共演するライブイベント「平家物語 諸行無常セッション」が開催された。「平家物語」の現代語全訳を完成させた古川、以前より朗読と演奏で「平家物語」を翻案してきた坂田、音楽を通し“諸行無常”を繰り返し唱えてきた向井の3人による、圧倒的かつ伝説的なステージであった。文学、音楽、演劇の枠を超え、響かせた祈りがライブセッション映画として今また蘇る。
出演:古川日出男、坂田明、向井秀徳
監督・撮影・編集:河合宏樹
協力:高知県五台竹林寺
音響:葛西敏彦
製作・配給・宣伝:K3
企画:2022 年/日本/カラー/(形式)/64 分 ©株式会社K3企画

INTRODUCTION

時を超え、祈りは遍路する。文学・音楽の枠を超え、三つの魂が交錯し響かせた祈りが蘇る伝説の一夜限りのセッションを映画化戦争や疫病が現実として世界を震撼させている現代に、源氏と平家の相争っ た時代から800年の時を経て、まさに時代の要請によって息を吹き返した「平家物語」。TVアニメ、映画、舞台などあらゆる表現で、蘇ってしまったこの軍記が人々の魂に響き魅了する中、2017年5月28日、高知県・五台山竹林寺にて、小説家・古川日出男の声がけにより、サックス奏者・坂田明、ロックミュージシャン・向井秀徳(ZAZEN BOYS/NUMBER GIRL) が邂逅した一夜限りのライブイベント『平家物語 諸行無常セッション』が開催された。 映画『犬王』の原作、古典文学「平家物語」を現代語全訳(池澤夏樹=個人編集 日本文学全集/河出書房新社)を完成させ、そのTVアニメ化で<平家ブーム>へと導くひとりとなった古川、以前より朗読と演奏で「平家物語」を翻案してきた坂田、音楽を通じて“諸行無常”を繰り返し唱えてきた向井の3人が交錯し、圧倒的な熱量のセッションを繰り広げた伝説の一夜。その幻夜を映像で記録し、64分のライブセッション映画に昇華したのは、七尾旅人『兵士A』や齋藤陽道主演のドキュメンタリー映画『うたのはじまり』など、人間の内面から溢れ出た音が世界や状況と交わるさまを作品にしてきた映画監督・河合宏樹。三者の重なり合う響きを最大限に引き出し再現した音響に葛西敏彦。時を超えて混沌の時代に唸りをあげる、念仏とも語り部ともいえる、三つの魂の咆哮のような祈りを体感ください。

諸国を遍路する諸行無常。全上映特別イベントとともに遍路巡礼、全国を行脚する

力を求め栄華を極めることの虚しさを知らぬものたちが、今なお戦を続け、無辜なる民を災が襲う不条理なる世が続く混沌の時代。かつて、その物語と祈りは書物とともに口伝で伝わり広まった。時を超え、文学・音楽を超え、新たな表現として完成した映画『平家物語 諸行無常セッション』は、東京を始点に、連日イベント付上映にて全国を遍路巡礼する。その騒きを、祈りを、その土地にあわせた特別ゲストとともに行脚してお届けします。