2023年9月10(日)より開催の展覧会「宇川直宏展 FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE」を観に、練馬区立美術館へ行ってきました。
2010年に開局したライブストリーミング・チャンネル「Dommune」の膨大なアーカイブ映像を主題・素材とし、宇川直宏さん(現在美術家、VJ、etc…)が、様々な方式で構築した作品(リアルタイムで構築されているものも)を観ることができる展示です。
Dommuneでの歴代のDJプレイが同時再生される「民法RADIOと連動したマッサージチェアと、1000人のDJによるライヴストリーミング(2)」や、ポッドキャストの音声をコラージュした「真空管ラジオによる口語ノイズ」で、聞こえてくる音声/音場は、「藤本由紀夫展 +/-(2007年)」で展示されていた「+/-」という作品と同じような、ユーモラスな感覚を思い出しました。一般的には「ノイズ」と呼ばれてしまうような音たちへの博愛を感じます。
メディア史を総括・要約するような流れの展示の中では、生成AIやライブストリーミングという現在の最先端トピックがフィーチャーされるのですが、一方で、ブラウン管テレビ、上岡龍太郎、子供のお絵かき…といった、慣れ親しんだ要素もそれらに織り込んでいくスタイルが、自身も含め多くの方が、宇川さんの活動を楽しみにしている要因ではないかと思います。
映像が満載なので、百聞は一見にしかずなのですが、『巨大拡声器付き真空管テレビによるヴィデオ・ストリーミング「アレハンドロ・ホドルフスキーの真空管説法」』という作品が、蛍光灯をブンブン振り回すのは、ずーっと観ていられるなぁと思いました。
展覧会名:宇川直宏展 FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE
会期:2023年9月10日(日)~11月5日(日)
ウェブサイト:https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=202306031685756682