2022年10月15日にホール・エッグファーム(埼玉県深谷市)で開催された「小杉武久の2022」は、私にとって、生涯忘れられないものになりました。

*当日配布されたプログラム。

今回、小杉さんの《無題》(1980)を、藤本さんと威力さんと演奏できたことは、私にとってとても大きく、かけがえのない体験でした。

実際のパフォーマンスを拝見/拝聴したり、展示やテキスト等で接してきたこととはまた異なるかたちで、小杉さんの作品が、自分の中に波のように流れ込んでくるかたちになり、それは私に非常に大きな変化を齎したようにも思います。

うまく言えないのですが、とても自由で、柔らかな、大らかな気持ちになり、そのような感覚を覚えたのは初めてで、自分自身、最初、ある意味で戸惑いましたが、パフォーマンスの中で自然に受け入れるかたちになり、その時間や空間にいることがとても楽しく、軽やかな心持ちになっていったのでした。

*前日のリハーサル風景より。とても楽しい現場でした。

改めて、高橋悠治さん、藤本由紀夫さん、和泉希洋志さん、威力さん、GCさん、スタッフの岡本隆子さん、高嶋清俊さん、ニシジマ・アツシさん、村井啓哲さん、ホール・エッグファームのみなさま、ご来場いただいたみなさまに心から感謝いたします。

今回、ホール・エッグファームのみなさまのホスピタリティには感動しました。終了後、持たせていただいたお弁当、とても美味しかったです。プライベートでこのような素敵な場所があること、それを支えている方がいること、それは芸術文化にとってとても意味のあるものだと心から感じました。

「小杉武久の2022」の余韻は、ずっと私の中に残り続けています。そこで受け取らせていただいたものを次につなげていきたいと思っています。

 

*小杉さんの《無題》(1980)で使用したものの一部。機材は、藤本さんよりいただきました。一生の宝物です。(事務所で撮影)